徳島県三好市山城町、ここには大歩危・小歩危と呼ばれる名勝地があり豊かな自然に囲まれた場所です。
目に鮮やかな四季の移ろいが昔と変わらぬ光景として楽しめる山城町には数多くの妖怪伝承がやはり昔と
変わらぬ姿のまま語り継がれています。
それは山城町には平地がほとんど無く、地滑り地帯でもあるため時代が変わっても自然の厳しさと危険な
場所であることに変わりが無かったからではないかと言われています。
危険な崖や淵、細くて暗い山道、多発する自然災害。そのようなモノから身を守るため、また自然の尊さ
を親から子へと伝えるためにそこへ現れる妖怪の話しをしながら危険な場所へ近付いたり山の神を荒らし
たりしてはいけないと言うことを暗に諭しました。
もちろん現在では道路も整備され電灯もある程度は設置されましたが、急峻な崖や危険な場所に変わりは
ありませんし、妖怪話しに登場する祠や墓も多数残っていて今でも祀られています。
そのため妖怪の話しは「昔話し」では無く実際に生きている話しとして現在でも語り継がれているのです。