山城町下川の伝説
鬼霊(キリョウ)さんの塚があった大門
【キリョウさん】
田尾落城の際、窟の中に白地城のオキク姫と従者と赤ん坊を抱いた旗霊(キリョウ)と言う女性が隠れていた。
土佐兵がこれを追いつめ、オキク姫と従者はその場で殺されたが旗霊は霧にまぎれて逃れ、別の窟に身を潜めたが土佐兵がその前を通った際、運悪く赤ん坊が泣き出し旗霊と赤ん坊は斬り殺されてしまった。
以来、姫と従者が殺された窟を主従(しゅうず)の窟と呼ぶようになり、旗霊が殺された場所には女性の霊が出るようになったのでキリョウさんの霊ではないかと言われた。
【狸の葬列】
ある日村人が近所の家へ向かう葬列を見た。普通であれば家から墓地へと向かうはずの葬列が逆に家へと入って行くので不審に思いその家を訪ねると葬列など知らないと言う。
ただその時刻に狸を潰して食べていたとのことで、ならば先程の葬列は死んだ狸を迎えに行ったものだったのかもしれない、と村人達は言い合った。
【大蛇】
大和川の下流、トドロの滝に胴回りが2尺(75.8cm)もある大蛇がいた。村の若い娘のところへ通い娘は蛙の卵のようなドロドロした物をタライに7.5杯も産んだ。
同様の話しが下川に二つ、上名に一つあり下川の話は角見の渡しの主と云われていて、上名の方はくわん淵の大蛇の言い伝えとして残っている。
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