山城町国政の伝説
【怪し火行列】
昭和43~4年頃のこと、Nさんは子供を背負って表へ出ると川崎山の井戸口から正木集落の方向へ動いて行く灯りの列を見た。
その動きは道なりに行くかと思うと空中を行くようでもあり、ロウソクの火のような色で並んだり着いたり離れたり、上下したりしていたそうで、後日近所の人に言ってみたが
「そんなことある筈がない」
と言われたのでそれっきり口に出すことも無かったが
(えらい(大変な)ところへ嫁に来たものだ)
と思ったそうだ。
【袈裟かけ一本杉】国政、末貞の伝説
千坊尾根にある土佐街道沿いの寂しい共同墓地跡に杉の木がある。
ある時旅の坊さんが夜中にそこを通ると言ったので、
「あそこには恐いモノが出るから泊まってお行き」
と忠告したが、
「出たらワシが退治してやる」
と、そこへ向かった。
あくる朝、心配になった村人が見に行くと道端の一本杉の梢に坊さんの袈裟がかかっているだけで坊さんの姿が見えない。
「天狗にやられたんじゃ」
と村人は恐れた。今も残るその杉の近くにはこの時いらい地蔵さんが祀られた。
0コメント