山城町岩戸の伝説
化粧狸が目撃された鞍掛渕付近
【化粧狸】
小学5年生の頃、友人と荷車をひいて荷物を送りに川口駅に行って帰っていた夜道でのこと。
岩戸バス停の向かいの渕に直径15~20㎝の青白く光る光芒のない明かりが見えた。
変だと思い目をこらすと、明かりの下で一匹の狸が水底に生えたぬるぬるしたアオコをすくい顔や首に塗り付けていた。
狸が女の人に化ける時はアオコで化粧すると聞いていたので「あれ見て!狸が化けよるわ!」と言うと、友人は荷車をひいて駆けだした。
ようやく追いつくと友人は真っ青な顔で座り込んでいた。
【お城の八公狸】
山城町岩戸にあった田尾城に八公と言う狸が住んでいた。この狸の額には八の字がハッキリ見られたことから八公の名がついた。
八公は人を化かしたり取り憑いたり(狸取り憑き)しないのでお城狸八公と人々に愛され慕われていた。
ある日八公は父の孫左右衛門が留守なので母の萩に連れられて色々なことを教わっていたが、そこを猛犬に襲われた。
萩は「犬だ、上に跳べ」と教え自分は全身の毛を逆立てて猛犬に立ち向かって行った。
八公が素早く跳び上がって逃げた際、岩角を踏むとそれが石混じりの土であったためザザアッと崩れ落ち猛犬は鼻先を石に打たれ逃げて行った。
決死で戦いを挑んだ萩も難を逃れ親子は互いの無事を喜びあった、この時八公は寺子屋のお師匠さんに聞いた
「親の恩は山よりも高く、海よりも深し」
と言う言葉をしみじみと噛みしめたと言うことだった。
【狸の嫁入り】(岩戸ほか)
1、昭和4年か5年の蒸し暑い夏の夜、Uさんの祖母が「狸の嫁入りが見える」と呼んだので雨戸の節穴から覗いてみると向かいの部落に提灯のような火が4~5個並んで登っては消えるのが見えた。
それが3~4回繰り返されたころ怖くなり見るのをやめた。昔の人は「狸の火はよだれが光った物だ」とか遠くに見えても狸は足元におる」とか言った。
2,昭和27年4月13日の夕方Hさんは家の庭から近所の幼なじみの女の子らと3人くらいで妙な提灯行列を見た。
提灯の列は田尾城の下の峠道を登ってSさん宅への方向へ行くので大人達に「嫁入りじゃ」と言ったら
「そんなことがあるか、あそこの嫁入りは昨日の昼間じゃったわ」と言われた。
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