山城町粟山の伝説
鬼姥神社
【鬼婆】
栗山名の西宮は現在「若宮」と呼ばれている古くは「鬼婆八剣大権現」と呼ばれ、この地方の人は平家の氏神でもあったと伝えられている。
昔、子供が7ツ下り(午後4時くらい)を過ぎてこの社の前を通ると社内から鬼姥が躍り出て、人を捕らえて食べていたので夕方になると誰もこの社に近づこうとはしなかった。
【ミノサコの山の神】
昔、村人がミノサコを通った時に道に白い大蛇がいた。通りざま「帰りしなにおったら(帰りにいたら)斬るぞ」と言ったが帰りもいたので斬り殺し、負い台に乗せて運んで埋め、その側にコナラ(ホウソ)の木を植えた。
その木は直径2mにもなり山のご神木となった。この神はよく祟るといわれている。
コナラの巨木は胸高周囲3~6m余りの物が4本あり、山の神祠のある約6m20cmの木はコナラとしては全国第2位。
【タタリ】
1930年頃の話し。栗山のミノザコの山の神の木を切った人の4才の子供が川内小学校の運動会を見に行っていなくなった。
村中の人が提灯をつけて川内の山を縦並びになって探し、幼児が歩いたとは思えない場所でやっと見つけることができた。
「どうやってここへ来た」と聞くと「きれいな人と一緒だった」と答えた。その子供もふところにはコクバ(落ち葉)が一杯入っていた。人々は山の神のタタリにおうたんじゃ、と言い合った。
【閻魔の足跡】
天狗岳の近くに閻魔大王がつけたと言われる「大王の足跡」という窪地がある。
大王の足跡は野鹿池とこの窪地と新宮から川之江へ越える横峰についている。
古い検知帳や土地台帳の尾又の項にエンマノタオ、エンマノナル、エンマノタニの小字があり伊予街道の国境の峠はエンマノタオ(峠)という。また閻魔の足跡の窪地の山はかつて大人峰とも呼ばれていた。
【ヒダルガミとウブメ】
ヒダルガミは山道で飢えや疲労、脱水などで死んだ者の霊。
粟山のヨソグチからアキン谷を登りカジョウガ峰を越えるあたりでは米一粒、水一口でも持っていないとヒダルガミに取り憑かれて一歩も歩けなくなるそうだ。
また、この道にはウブメが出るとも言われた。
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